【エンジンチェックランプ点灯】 P0171とインジェクタ詰まり【修理と予防方法】

車関係
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1. はじめに:チェックランプ点灯から始まる疑問

「エンジンをかけたらチェックランプが点いた…」
車を所有している人なら、誰もが一度は経験する可能性があるものです。

診断機を当ててみると「P0171 システム過剰希薄(リーン)」というコードが出るケースがあります。

このコードは「燃料が薄すぎる状態」を意味しており、燃費が悪化したりアイドリングが不安定になったりする場合もありますが、実際には走行に支障がないまま警告灯だけが点くことも少なくありません。

しかし「とりあえず走れるから大丈夫」と放置してしまうと、エンジンの補正が限界に達して触媒に負担をかけ、長期的には重大なトラブルにつながる可能性もあります。

今回は、整備士目線で P0171が出るときに考えられる原因車屋さんの診断手順、さらに 一般ユーザーでもできる予防策 まで詳しく解説します。

整備士がどのように作業しているのかもイメージできる内容です。


2.P0171で考えられる主な原因

P0171の原因は一つではなく、複数の系統で起こりえます。整備現場で実際に多い順に紹介します。

1. 吸気系のトラブル

  • エアフローセンサー(MAF)の汚れ・故障
     吸入空気量を正しく計測できなくなり、ECUが燃料を少なめに噴射してしまう。
     エアフィルターの汚れやオイル付着が原因になることも多い。
  • 吸気漏れ(ホース・ガスケット)
     スロットル後のエアホースやインマニガスケットが劣化すると、計測されていない空気が混入 → リーン判定されやすい。

2. 燃料系のトラブル

  • インジェクタの詰まり
     燃料の噴射口にカーボンやガム質が付着すると、噴霧が乱れて燃料不足となる。
     P0171では特に多い原因のひとつ。
  • 燃料ポンプ・レギュレーターの不調
     燃圧が規定値より下がると、燃料噴射量が不足 → リーン異常検出。

3. 排気系のトラブル

  • O2センサー(A/Fセンサー)の劣化
     排気中の酸素量を誤認識し、実際より希薄と判断してしまう。
  • 排気漏れ
     O2センサー前で排気が抜けると、誤った空燃比補正につながる。

4. ECU・学習値の偏り

  • 学習値が限界に達している
     ECUが補正を続けても正常値に収まらず、チェックランプを点灯させるケース。

3. 整備士が行う診断の流れ

一般ユーザーからすると「チェックランプ点灯=すぐ修理」と思うかもしれませんが、実際には 原因を切り分ける作業 が非常に重要です。

ステップ1:OBDⅡスキャンで燃料トリムを確認

  • LTFT(長期燃料トリム)が+20%以上に補正されている場合、燃料不足傾向が強い。
  • STFT(短期燃料トリム)の波形を合わせて確認。

ステップ2:吸気系のチェック

  • スモークテスターでエア漏れを点検。
  • エアフロセンサーの汚れを確認 → 清掃や交換を検討。

ステップ3:燃圧測定・インジェクタ点検

  • 燃圧ゲージで規定値を確認。
  • インジェクタを取り外し、詰まり・汚れの状態をチェック。

ステップ4:インジェクタ清掃

方法はいろいろあるみたいですが今回はキャブクリーナにて清掃。最悪の場合は詰まりが取れない場合は最悪交換になってしまいます。


4. インジェクタ詰まりでP0171が出る仕組み

インジェクタはガソリンを霧状に噴射する部品です。
ここが詰まると燃料が正しく霧化せず、各気筒で燃焼状態が偏ります。

インジェクタが詰まる→ECUが排ガスの数値をみて燃料が少ないと判断→もっと燃料を出してとインジェクタに指示→詰まってるから思うように出ない→もっと出しての指示→いっぱいガソリンを出しているのに出てる感じがない→チェックランプ点灯

この流れになると思います。


5.今回の車両の症状(LA350S ミライース)

症状としてはチェックランプ点灯のみ。エラーコードはP0171 5年経過の2万Km程度の走行。

ただ、最近の車両は各ECU同士が並列で通信をしているのでメインはエンジンのチェックランプの点灯だけど、エンジンのECUで異常発生するとそのセンサの値が不明確なためほかのECU の動きも止めるため自動ブレーキのランプやアイドリングストップのランプなども同時に点灯します。

メーターのランプがお祭り騒ぎになり、販売店へ相談してくださいなど不安を煽る表示になります

が、症状は何もありません。

エンジンもかかる。アイドリングも普通。吹け上がりも普通。加速も普通。

多分細かく症状を見れば、どこかのアクセル開度などでノッキングなどを起こしているかもしれませんが、気にしなければ多分普段通りだと思われます。

6. 整備士の診断・修理手順

症状が「チェックランプ点灯だけ」の場合、整備士は以下の手順で原因を絞り込みます。修理に関しては今回はガソリンを扱う作業になるためDIYでの作業はおすすめしません

なのでざっくりの作業風景で車屋がやってることってこんな事ってのをわかっていただければと思います。

もしやってみたい方はガソリンを扱うので最悪車両火災になる可能性があるのを忘れないでください。

あと、チェックランプ点灯から作業完了までの時間を考えたら車屋にお願いした方が断然早いのは間違いないでしょう。

1.スキャンツールにて故障コードを確認

これによって何が原因でチェックランプが点灯したかを確認し、修理を大きな方向を決めます。

もし何でチェックランプが点灯しているのかを知りたい場合はAMAZONなどで安価に簡易スキャンツールは売っているみたいです。

車屋さんが使用しているのは10万以上するものを使用しているはず。

これでいろいろいじることが可能になりますが、基本は故障内容の確認だけが良いでしょう

2. コード【P0171】を確認

これによって燃料系統の故障と判断します。さらに方向が絞られますがまだ可能性は幅広いです。

P0170は「燃料が薄い/濃い」という状態の異常を示すコードで、原因は複数考えられます。

  • MAFセンサーの汚れ・故障:吸入空気量が正しく測れず、ECUが誤補正
  • O2センサーの劣化:排気ガスの酸素量を誤認識
  • インジェクタの詰まり・噴射不良:燃料供給が偏る
  • 吸気系のエア漏れ:ホースやガスケットの劣化で混合気が薄くなる
  • 燃圧不足:燃料ポンプやレギュレーターのトラブル
  • 排気漏れ:O2センサー誤作動を誘発

など。

ここから燃料補正などの数値を、その他配管やホース類の状態を確認しインジェクタと絞っていきます。

3.インジェクタの取り外し

外したインジェクタです。鬼汚いです。この距離でここまで汚いのは多分最近のエンジンのシステムだと思います。

環境を意識した設計により汚れが付きやすくなっている思います。

本来なら噴射口があり穴がぽつぽつ開いているのですが埋まってしまっています。

これでは燃費にも影響でそうです。これを洗浄していきます。

今回使用したのはペットボトルにキャブクリーナ(泡タイプ)です。

泡の方が長く患部にいてくれる気がするのでこっちの方が使いやすいと思ってます。

一番大事な噴射口をつけておきます。汚れ具合にもよりますが大体お昼ご飯分くらい放置して、歯ブラシでこすってあげます。噴射口は針の穴以下の径なのでしっかり綺麗になったことを確認してください。

約1時間程度の放置+歯ブラシでここまで綺麗になりました。何をするわけでもなく

しっかり漬けてあげることが大切です。

ビフォーアフター

ちゃんと噴射口が確認できるようになりました。

あとはOリングを交換して組付けです。

4.組付け後のECUリセット+補正数値の確認

エラーコードを消去し補正値を基準以内に収まっていることを確認します。

試運転後チェックランプが光らなければ作業完了。ガソリン漏れの確認も忘れずに!


7. DIYでできる対策と予防策

チェックランプが点灯した時点で車屋に持っていくことになりますので今回はDIYはあまりお勧めしません

ただ、予防は誰にでもできるのであらかじめ対策しておくとすごくいいと思います。

まず今回の症状が起きやすい車の特徴

1. 短距離・低速運転が多い(チョイノリ)

  • エンジンが十分に温まらない状態で運転することが多い場合
  • ECUが燃料補正の学習を完了できず、燃料トリムが補正限界に達しやすい
  • 特に、アイドリングが長い状況(渋滞、信号待ち)で出やすい

2. アイドリング中心の運転(車内での休憩など)

  • 燃料トリムは負荷変動がある方がECUが学習しやすい
  • アイドリングや停車時間が多いと、補正が不安定になりP0171が点くことがある

3. 古いガソリンや添加剤不足

  • カーボンや汚れがたまりやすく、インジェクタ詰まりの原因に

などがあります。これをしてはいけないわけではありませんが定期的にガソリン添加剤を入れることをおすすめします。ただし、いれれば入れるほどいい物ではない用法容量は確実に守りましょう

年数が4年以上経っていて、いままでガソリン添加剤を入れていない車向け。

金額は一番高いですが一番初めだけでいいのでこちらを入れてみてください。以降は↓のものでいいでしょう。投入間隔を守って定期的に入れてください。5000Km毎程度で十分だと思います。

こちらはよくガソリン添加剤で出てくるものです。

2回目からはこちらを入れると持続してくれるはずです。こちらも5000Km毎に使えば効果は十分出ると思います。

これらの添加剤は今回の故障を防いでくれるだけではなく

  • 燃費が悪くなってきた(走行距離過多、トロトロ走行)。
  • アイドリングが不安定になっている。
  • エンジンのフケが悪い、または息つき、ノッキングをする。
  • 加速が悪い、パワーが落ちている。

などの車の元気がなくなっていく症状を押さえてくれたり改善してくれる作用もあるのでぜひ入れてみてほしい商品です。


8. 修理費用の目安

万が一P0170の原因がインジェクタ詰まりの場合の費用感を紹介します。

  • 診断料:5,000円前後
  • インジェクタ清掃:1~2万円
  • インジェクタ交換:1本約1~2万円(軽自動車の場合)
  • 外車や大型車はさらに高額

ポイント:修理費用はかなり高額になります。チェックランプが光った状態では車検は通りませんので、光る前の対策が重要になります。


8. まとめ

  • P0171は「センサー異常」と思われがちですが、実は インジェクタ詰まりや燃料系トラブル が原因のことも多い
  • 症状がなくても「チェックランプ点灯だけ」の状態でも、早めの点検が重要
  • 整備士はスキャンツール、燃圧測定、プラグチェック、インジェクタ洗浄などで原因を特定して修理
  • DIYは燃料添加剤や清掃で軽度改善は可能ですが、根本解決はプロに任せるのが安心

チェックランプが点いたら放置せず、早めに点検することで車の寿命と燃費を守ることができます。

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