はじめに
朝、車に乗ろうとしたらエンジンがかからない――。
この瞬間、誰でも焦りますよね。多くの人は「バッテリーが上がったのかも」と考えますが、実際セルモーターや燃料系のトラブルなど、バッテリー以外の原因もあります。
エンジンがかからない≠バッテリー上がり
まずはここを判断しなくてはいけません。
この記事では、整備士の視点で初心者でもわかるように、車がエンジンかからないときにバッテリー上がりかどうかを見極める方法を解説します。
また、応急処置や次に読むべき「バッテリー交換方法の記事」への導線も紹介します。
すぐに使いたいときや、道具をそろえている時間が無いときはJAFや保険のロードサービスを使うのが最優先になりますので忘れないでください。
1. 車が動かないときに考えられる主な原因
車がエンジンをかけようとして動かない場合、主に以下の4つが考えられます。
- バッテリー上がり
→ 最も多いトラブル。バッテリーが弱くなっていると、セルモーターに十分な電力が供給されず、エンジンがかからなくなります。 - セルモーター(スターター)の故障
→ セルモーター自体の不良。電力があってもモーターが回らずエンジンが始動しません。 - キーフリー関係のトラブル
→ 最近はカギは取り出さずにポケットの中の車種も多くなっています。通信不良や電池切れでもエンジンは始動できなくなります。 - 燃料系・点火系のトラブル
→ ガソリン切れ、燃料ポンプ不良、イグニッションコイルやプラグの不具合など。セルは回るのにエンジンがかからないことがあります。
2. バッテリー上がりの典型的な症状
バッテリー上がりの場合は、次のような症状が見られます。
- セルを回すと「カチカチ」「カカカカ」音だけする
→ セルモーターに十分な電力が供給されず、エンジンが始動しない状態です。 - メーターやヘッドライトが暗い/点かない
→ バッテリー電圧が低下しています。 - ホーン(クラクション)が鳴らない
→ 完全にバッテリーが放電してしまっています。何かつけっぱなしだった可能性があります。 - バッテリー警告灯が点灯している
→ バッテリーの残量が少なく、充電不足の可能性があります。 - 最近エンジンのかかりが重たかった
→ 長期間使用しているバッテリーは徐々に弱まります。 - 普段リモコンでドアロックを開け閉めしているのに反応しなかった →バッテリーが完全放電をしているとドアロックも動かせない場合があります。
3. バッテリー以外のトラブルの特徴
逆に、以下の症状がある場合はバッテリー以外の原因も考えられます。
- セルは回るがエンジンがかからない(キュルキュル音はする)
→ 燃料系や点火系トラブルの可能性。 - セルがまったく反応しない(カチカチ音もなし)
→ セルモーター不良や配線トラブルの可能性。 - 走行中に突然エンジンが止まる
→ オルタネーター(発電機)の故障、またはバッテリーの不具合。 - バッテリーを交換したばかりなのに上がる
→ 発電系統に問題がある可能性。 - セキュリティランプが点滅している
→ イモビライザーやセキュリティ系の異常。
4. 初心者でもできる簡単チェックポイント
4-1. ライトやハザードランプを確認、ホーンが鳴るか確認。
- 暗い/点かない → バッテリー上がりの可能性大
- 普通に明るい → バッテリーは正常、別の原因を疑う
- ホーンが鳴らない→完全放電の可能性が高い。何かつけっぱなしだった可能性大。
4-2. メーターパネルのランプを確認
- 点灯しない → バッテリー上がりの可能性大
- 点灯するがセルが回らない → セルモーターや配線不良の可能性
4-3. セルを回したときの音を確認
- 「カチカチ」 → バッテリー上がり
- 「キュルキュル音はするがかからない」 → 燃料・点火系
4-4. 最近の使用状況を振り返る
- ライトや室内灯の消し忘れ
- 数日以上乗っていない
- 短距離走行が続いた
- 3年以上バッテリーを交換していない
→ これらはバッテリー上がりを引き起こす典型的な条件
5. 見極めのフローチャート(初心者向け)

色々な車があるためすべての車に当てはまるわけではありませんので簡易的なものです。
6. バッテリー上がりだった場合の応急処置
バッテリーが原因だとわかったら、応急処置でエンジンをかけられる可能性があります。
6-1. 迷ったらロードサービス
- すぐに使いたい、道具を買ってる時間なんかない人はまずこれ。
- JAFや保険付帯のロードサービスで現場対応
- 電圧チェックや応急処置もしてくれるので安心
6-2. ジャンプスタート
- モバイルジャンプスターターや他車のバッテリーを利用
- プラス端子 → プラス端子、マイナス端子 → アース金属の順に接続
- エンジン始動後は数分間アイドリングして充電
簡易的なジャンピングも今は売っています。モバイルバッテリーとしてもつかえるのはいいですね
昔ながらのケーブルを車に積んでおけば他の車から電気をもらう事ができます。
7. 見極めた後の行動
- バッテリー上がり → 自分でジャンプスタート or 交換
- バッテリー以外の原因 → JAFやロードサービスを手配
- 原因が特定できない場合 → 無理にセルを回さない
まとめ
- エンジンがかからない=バッテリー上がりとは限らない
- ライトの明るさ、メーターの点灯、セルの音で原因を見極められる
- バッテリー上がりなら応急処置やDIY交換が可能
- バッテリー以外のトラブルはプロに任せるのが安全
おまけ
普段から車をほとんど使用しない方は定期的にバッテリーの充電をするのがおすすめです。
車のバッテリーも、スマホと一緒であまり放電状態にしてしまうと寿命が縮んでしまいます
年間走行距離が3000km以下の方は半年に一度など充電をしたほうが良いでしょう。
ただ、充電には時間がかかるのとコンセントが必要になるのでできる方は限られてしまうかもしれません。
価格もそこまで高額ではなく、毎回ロードサービスを使用するのであれば持っておいて損はないと思います。
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