30プリウス(ZVW30)スパークプラグ交換方法|必要工具・注意点・効果まで【効果大】

DIY

プリウス30系(ZVW30)はハイブリッドでエンジン稼働時間が少ないとはいえ、スパークプラグの劣化は確実に進みます。
特にこの2ZR-FXEエンジンは燃焼温度が高く、電極への負荷も大きいため、10万kmに近づくと顕著に性能が落ちます

「燃費が最近悪くなった…」
「加速がモタつく…」
「始動時にブルっとする…」

そんな症状があるなら、ほぼ間違いなくスパークプラグ交換のタイミングです。

この記事では、 プリウス30系のスパークプラグ交換をDIYで安全に行うための手順を完全解説
必要な工具、注意点、失敗しやすいポイント、交換後の効果までまとめました。

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今回なぜスパークプラグを交換するのか

私のプリウスは前回の記事でも出していますが10年以上経過の6万キロ走行車。

プラグの寿命は20万キロ毎となっているため交換時期としてはまだまだ先の話。

しかし、10年以上経過している部品で消耗品であれば私は信用があまりできません。

以前20年経過の1万キロ走行のスパークプラグを見たことがありますが、碍子の部分が割れてエンジン不調をおこしていたこともあります。

中古で買ったこの車をあと10年乗るかと言われたら乗り換えている可能性が高そうだし

年1万キロ走るとしても今交換しても次の交換時期は20年後。

であれば調子が悪くなる前に先に交換していい状態を保てるのであれば予防整備として交換するメリットの方が大きいと考えます。


■ 結論:30系プリウスのプラグ交換は難易度は低く必要工具があれば誰でも可能。効果は大

プリウスはワイパーユニットでエンジン上部が完全に覆われているため、一般車のように簡単にスパークプラグへアクセスできません。
DIYで一番の山場はスパークプラグへのアクセス方法。工具の工夫が必要です。

しかし、そこさえクリアすればプラグ交換自体はシンプル。

  • 必要工具をそろえる
  • プラグホールにゴミを入れない
  • トルク管理を正確にする

これが守れれば、確実に交換できます。


■ 使用するプラグ:デンソー SC16HR11(実測)+ NGK LKAR7ARX-11(RXプラグ) 比較

今回の交換で実際に使用したのは、純正採用されているデンソー SC16HR11
トヨタ純正品質で、耐久性と安定性は非常に高いモデルです。

ただし、交換時の選択肢としては NGK の LKAR7ARX-11(RXプラグ) も非常に人気があり、比較ポイントも記事内で解説しています。

【比較ポイント】

  • デンソー SC16HR11
     →純正。耐久性が高い。熱価設定がプリウス向き。
  • NGK LKAR7ARX-11(RXプラグ)
     →加速レスポンスが少しシャープ。価格はやや高め。

どちらも高品質ですが、RXプラグはガソリンエンジンの場合純正プラグから交換したときに若干ではありますが確実に効果が実感できるものです。

ハイブリッド車の場合はモーターでの駆動になるのでそこまで体感はできないかもしれません。

しかしこれから購入する場合は確実にRXプラグがおすすめです。私は車を購入した時点で準備をしてしまっていた純正プラグを使用します。

車種別の適合表がメーカーHPにありますのでしっかり調べて品番・本数など確認をしましょう。


■ 必要工具リスト(おすすめ工具の解説付き)

プリウス30系のプラグ交換は工具不足が一番の失敗原因。
揃えるべきものは以下の通り。

【必須工具】

  • 10mmソケット
  • 14mmプラグソケット(マグネット付き必須)
  • ラチェットハンドル
  • エクステンションバー(短めを2~3個)※超重要
  • トルクレンチ(締め付け15〜20N·m対応)

【あると便利】

  • エアダスター(プラグホール清掃)
  • ライト
  • ピックアップツール(落下防止)
  • カプラ取り外し工具

【交換部品】

  • スパークプラグ ×必要個数(プリウスは4気筒)
  • 必要ならイグニッションコイル

30プリウスの場合はこちらを4本用意してください


■ 作業前の注意点|プリウス特有のポイント

プリウスの整備では、ここを守らないと危険です。

① 絶対にREADYにしない

READY状態だと作業中にエンジンが突然かかります。
作業前に必ずパワーOFFを確認すること。

② 補機バッテリーのマイナス端子を外す

イグニッション系統を触るため、ショート防止のために外すのが安全。

③ プラグホールにゴミを落とさない

異物混入はエンジン破損の原因になるため、清掃は必須。

④ トルク管理は絶対守る

緩い → 失火
強い → ネジ山破損(ヘッド交換レベル)

もしくはプラグが手締めで接地してから1/2回転です。ねじ山が汚れていて回りが渋く、どこが接地点かわからない場合はトルクレンチを使用した方が確実です。


■ 作業手順

STEP1:エンジンカバーの取り外し

上に引っ張れば外れます。ここは特に注意点は無いです。

STEP2:コネクタの取り外し

ボルトを外す前にカプラを外しておいた方が固定されているので楽に外せます。

万が一カプラに砂や埃など噛みこんでいて外れない場合は工具を使いましょう。

こんなのが最近でています。使用したことは無いですがかなり気になっています。

気になっているのに購入しないのは私が使用しているのはこちらです。

これはバンパーを固定しているクリップを外す工具です。

これをカプラ外しにも使用しています。かなり便利です。

注意点としては握りすぎるとカプラが割れます。力加減を考えて使用しなければいけませんが今のところこいつで十分なのでカプとるを購入できていません。


STEP3:イグニッションコイルを取り外す

※注意:1番のコイルのボルトを外す前に

下の画像を見ていただければわかりますが、ソケットがOCV(オイルコントロールバルブ)のコネクタに当たっています。このまま回して外すことも可能ですが、劣化具合と当たり方によっては破損し交換になってしまう場合があります。

ここはコネクタを外せば接触しなくなるのでここのカプラも外してから作業をしましょう。

  1. OCVのコネクタを外す
  2. コイルを固定している10mmボルトを外す
  3. コイル本体をまっすぐ上に引き抜く

写真を撮り忘れましたが外したコイルの外観も見ておきましょう。破れやオイルの付着が無いか確認してください。

オイルの付着がある場合はヘッドカバーからのオイル漏れの可能性がありますので修理が必要になります。


STEP4:スパークプラグの取り外し

  1. 14mmプラグソケット+延長+ラチェットで緩める
  2. ゆっくり引き抜く(長いので斜め注意)

ここで下調べ&準備不足が発生。実はこの作業2日に分けて作業しています。

その理由がこちら。

エクステンションが長すぎて入りません。自宅にある工具ではどう頑張ってもスパークプラグにアクセスできず1日目はここで断念しました。再度工具を準備してもう一度トライです。

プラグ交換のためにカウルトップを外すまでやるのは時間がかかりすぎるのでエクステンションを用意します。

結果使用した工具はこちらです。これで作業は完璧です。

14mmのプラグソケットに一番短いエクステをさらに短いエクステを挿し。下まで落ちたらもう一本エクステを挿してラチェットをあとからつけます。

これなら無事外せるので4本外しましょう。10年以上緩められることのなかったプラグなので初めの2周くらいは固いですが固着しているわけではないのでガシガシ回して外します。

碍子の部分のコロナ汚れがひどいです。影響はないといわれていますが気になりますよね。

ねじ山も汚れきっていて、関係ないにしてもこれだけでも交換してよかったと思えます。

一応新旧比較。やっぱり新しいプラグは綺麗でいいですね。

不調があったわけではないので古いプラグの焼け具合も異常は感じられません。


STEP5:新品プラグの取り付け

  1. 新品プラグを素手では電極に触らず扱う
  2. エンジンに当たるまではゆっくり降ろしていく
  3. 手でねじ込み、途中で軽く抵抗が出るまで回す
  4. トルクレンチで15〜20N·mで本締め

ここはミスが許されない工程。

プラグをエンジンにつける際に「カコンッ」と下まで落とし入れるとエンジン不調の原因になりますので絶対にしないでください。

エンジンまでゆっくり降ろして置く感覚で装着しましょう。

その後手で回せるところまで回してください。いきなり工具で回し始めると斜めに入っていた場合ねじ山がつぶれ装着できなくなりヘッド交換が必要になる高額修理確定になりますので注意です。

私はトルクレンチは使用せず、接地後1/2回転を目安に締め付けをしました。

ただ、どこが接地かわかりずらい場合がありますので不安な方はトルクレンチの使用をおすすめします。

締めすぎはエンジンの破損。緩すぎはエンジン不調の原因になります。


STEP6:逆手順で組み付け

  • イグニッションコイル取り付けボルト締め付け
  • OCVを含むカプラ、計5個を取り付け
  • エンジンカバー取り付け
  • 12Vバッテリー接続

最後に試運転し、アイドリングが安定していれば完了。

バッテリーを外した場合は各種リセットが必要になりますので再設定してください。


■ 作業時間の目安

  • 整備士:20分
  • DIY初心者:1時間
  • カプラの取り外しとプラグ脱着が山になると思います。

■ 交換費用の相場

  • ディーラー:20,000〜28,000円
  • 整備工場:15,000〜22,000円
  • DIY:プラグ代のみ

DIYなら半額以下で可能。工具を一度買えば他にも使用できるし2回目からは部品代のみになります。


■ 交換後の体感できる変化

プラグ交換後、ほぼ確実に以下が改善します。

  • アクセルレスポンス向上
  • アイドリングの安定
  • 冷間時の振動が減る
  • 燃費が良くなる(1〜3km/L改善する例あり)

10万kmを超えた車両は体感レベルで変わることが多い。

私のプリウスの場合、停車時HVモードからエンジン始動の際に「ガコン!」と振動が出ていましたが、体感半分程度の振動になりました。

走行中のエンジン始動時に関しては振動0に近いレベルになりました。

車購入時にプラグは準備してあって、めんどくさくて放置し3年程経過しましたがもっと早く作業しておけばよかったと後悔してます。


■ よくある失敗と対策

【失敗1】プラグを落として電極を曲げる

→新品に交換。再利用不可。強い振動を与えたプラグは絶対に使用してはいけません。

【失敗2】プラグホールにゴミが入る

→エアで吸い出す。落下した場合はプロへ。レッカー移動です。

【失敗3】コイルカプラーを付け忘れる

→エンジンがガタガタする。確認して再装着。

【失敗4】締め付けトルク不足

→必ずトルクレンチで規定トルク締め。


■ おすすめ工具

センスのない整備士は工具でカバーすると昔からよく言われていますがそれはまさにその通り。

同じ作業でも工具の違いで難易度は激変します。自分にあったものを購入しましょう

・エクステンションバー(必須)

今回の作業に関してはエクステンションの長さ、数が必須になります。これでなくてもOKですが

できれば首振りタイプの物だと作業しやすいかもしれません。

私の使用した長さはこちらです。参考にしてみてください。

・プラグソケット(必須)

ソケットにマグネットが付属しているものです。スパークプラグを外すのであればこれが無いと話になりません。

他にもやり方は存在しますが、かなり邪道なのとDIYでやるには無理があるので紹介しません。

30プリウスは14mmを使用しますが、16mmを使用している車種や古い物だと21mmだったりします。

・トルクレンチ(あれば安心)

今回の作業で使用するのは小さいトルクになるので、タイヤを締め付けるものとは別の物になります。

タイヤ用の物は基本使用できないので注意が必要です。

・カプラ外し

年数が経つにつれカプラは固く、外れにくくなります。

他にも使える工具なのでいつか助けてくれるでしょう。


■ まとめ|30系プリウスのプラグ交換は時間はかかるが確実に効果あり

プリウス30系はプラグ交換までのアクセスが大変ですが、
交換後の効果は非常に大きく、特に10万kmを超えた車両では体感レベルで変化します。

  • カプラの取り外し
  • プラグを落とすのではなく置く
  • トルク管理を守る

この3点さえクリアすれば、DIYでも十分に対応できる整備です。


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